月桃(ゲットウ)の食用以外の使い方は?
サンニンに含まれる成分は美容効果にも優れる
月桃(ゲットウ)はサンニンとも呼ばれ、食べる以外にも様々な日用品に使われています。人間の生活において食事以外にも役立つ植物を有用植物といい、葉や種、茎まで全て利用できるサンニンはまさしくこれに当たります。実際にサンニンがどのように利用されているのか紹介していきましょう。
防虫剤・におい袋
サンニンには防虫・消臭・芳香などの効果があります。サンニンの葉から抽出される精油や蒸留エキスは、市販の防虫剤や芳香剤にも利用されているほどです。沖縄の人々は古くから、サンニンで簡易的な防虫・消臭剤を作ってきました。作り方は乾燥させたサンニンの葉を細かく刻み、お茶のパックに詰めるだけで完成です。これをタンスにしまうことで、独特な臭いが虫を寄せ付けず、消臭効果も発揮します。
紙
サンニンの茎は和紙として有効活用されています。月桃紙と呼ばれるサンニンから作られた和紙は、茎を細かく裂いて使用するため繊維が浮き出た紙質で暖かみのある見た目です。加えてシロアリといった虫を寄せ付けない防虫作用もあるため、実用性に優れた素材ともいえます。月桃紙は他に、はがきや便せん、屋内の壁紙や障子などにも幅広く利用されています。
漢方
サンニンの種は、漢方薬として服用されてきました。粉末にした種を飲むことで、消化液の分泌を促し、胃の機能を改善する働きが期待できます。サンニンはハナミョウガ属に分類されており、ハナミョウガの種子からは漢方薬で健胃薬としても重宝される砂仁(シャジン)が取れます。サンニンの種子からも砂仁を摂取できるため、沖縄の人々は古くからこれを漢方薬として活用してきました。
サンニンに含まれる成分は美容効果に優れるため、サンニンは上記以外に化粧水やお茶などに活用されてきました。特に葉には抗酸化作用もあり、老化予防の飲み物として重宝されています。サンニンは食用以外にも利用価値が高く無駄の出ない植物であることから、人々の生活と強く結び付いているのです。