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なちゅらだまの原料「サンニン(月桃)の葉」でお菓子作りを体験

レポート:2019年11月15日(取材日)

【ムーチー】
香りが強く縁起もいい

サンニン1

「これがサンニン、月桃ですか。横浜でよくレコーディングに使っているスタジオが『月桃荘』っていうので、なんか親近感がありますね」岩本さん(左)と高橋さん(右)

サンニンは月桃(げっとう)とも呼ばれ、琉球王国の時代から薬草としても使われている抗酸化物質など健康成分が豊富な沖縄ではとても馴染みのある植物です。ショウガ科ハナミョウガ属の多年草で、熱帯から亜熱帯に分布し、南九州や沖縄・奄美以外にも、小笠原諸島などでも見かけます。

葉のもつ芳香を活かして、肉や魚、餅を包んで蒸したり、精油を抽出したりします。防虫、抗菌作用があるので、食べ物と一緒に使うのは非常に理にかなっています。その香りにはリラックス効果があると言われています。

その有効成分を余すことなく摂ろうと、伝統的な利用法だけではなく、粉末をアイスクリームやケーキなど洋菓子、また和菓子、 サーターアンダギー、ゼリー、麺やその他食品に練りこんだり、化粧水、アロマ、健康食品、ハーブティーなどの他、月桃染の染料等々広く活用されています。

サンニンの葉は本来、旧暦の12月8日『ムーチー(鬼餅)の日』に、お餅を包んで蒸し上げるのに使われています。沖縄の各家庭では、厄払いとしてサンニンの葉で包んだムーチーを作って供え、食べて、家族一同(特に子供)の健康を祈願するのですが、特に一年以内に赤ちゃんが生まれた家庭では、“ハチムーチー(初鬼餅)”といって、隣近所や親戚に配り歩く風習があります。

サンニン2

サンニンの葉を水洗い

ムーチーは市場や商店などで季節に関係なく売られていますが、サンニンの葉はスーパーや市場などで一年中買えるわけではありません。ムーチーの時期になると栽培した葉を売っているところもありますが、一般的には畑や庭の片隅に植えてあったり、野山に自生しているものを手に入れて利用します。

今回、このサンニンの葉を使ったムーチーとサーターアンダギー作りに挑戦したのは、なちゅらだま愛用者のピアニストの岩本整さんとヴォーカリストの高橋優介さん。ライブのために沖縄に来ている合間の時間に、作り方を指導してくれる上地広美さん(沖縄県八重瀬町)のお宅で、準備から一通り2日がかりで体験しました。

蒸していると独特の香りが

サンニン3

ムーチーの原料はシンプル。紅いもの他にも、ウコン、黒糖などを練りこんだものもあります

サンニン4

分量を量ってボウルに材料をいれる

ムーチーに使う葉は、岩本さんと高橋さんには、ちえの輪卵油の工房の敷地にあるサンニンの葉を2枚収穫してもらいましたが、サイズが小さいので、広美さんが友達に頼んでたくさん用意していただきました。

広美さんのキッチンでは、最初に100枚以上あるサンニンの葉を水洗い。ムーチーは2種類作ります。普通の白いものと紅いもです。

用意したのは
① 白いムーチー……もち粉500g・グラニュー糖200g・水400cc
② 紅いもムーチー…もち粉1kg・紅いも粉150g・グラニュー糖500g・水800cc
③ サンニンの葉・ビニール紐(2色)

サンニン5

広美さんのお孫さんも興味津々でムーチー作りに参加

サンニン7

「こんな感じかな」練りあがったらサンニンの葉の上にのせて丁寧に包みます

 

 

それぞれをボウルに入れて、よく捏ねて耳たぶくらいのやわらかさになるようにします。サンニンの葉は裏返します。包むときは欲張らずに葉っぱの真ん中にちょこんとのせます。葉の先端の方から半分に折り畳み、左右を折って葉の元の方を折り返して包んでから紐でしばります。紅いもムーチーの方は赤色の紐を使ったので、一目で中身がわかります。

サンニン9サンニン10

大きな蒸し器で、2段重ねに入れて蒸します。蒸気が上がってくるとサンニン特有の芳香が家中に広がっていきます。蒸し時間は30分以上。量が多かったので今回は50分ほど蒸しました。

【サーターアンダギー】
サンニンの粉を入れ健康成分を摂る

サンニン12

サーターアンダギーの材料

サーターアンダギーの仕込みは前日に。広美さんは19歳の時に集団就職で沖縄から三重県へ。当時は手に入る沖縄の食材もないなか、沖縄料理を作って故郷を懐かしく感じていました。サーターアンダギーもその一つ。最初は、沖縄で食べていたもののように上手にできずに、沖縄へ帰るたびにいろいろな人に教えてもらって試行錯誤していました。

「何十年も作り続けているうちに、少しずつレシピを工夫しました。今日は美味しさの秘密も教えちゃいますよ(笑)。美味しいから商売したらいいんじゃないのって友達に言われますけど、家族やみんなが喜ぶのを見てるとそれだけで幸せです。今回は、サンニンの粉を使ったサーターアンダギーは初挑戦なので、ちゃんと練習もしておきましたよ」

サンニン15

全ての材料を入れてよく混ざ合わせたらビニール袋に移し、冷蔵庫で一晩寝かせます

サンニン16

「これは、もう揚がったな」揚げすぎないように気を付けてペーパーの上に

 

用意したのは、
① 薄力粉1kg・グラニュー糖600g・ホットケーキミックス200g・ベーキングパウダー大さじ1.5・塩(島マース)中さじ1・サンニン(月桃)粉大さじ6
② 全卵10個・生クリーム・サラダ油100cc・酢キャップ1
③ 揚げ油(サラダ油2~3リットル)
一晩冷蔵庫で寝かせる。

揚げたてを割るとほのかな香りが

サンニン17

「香りが良くて、色もきれい」揚げたてを割って、さっそく一口

一晩寝かせたサーターアンダギーの材料は冷蔵庫から出して常温に戻しておきます。サラダ油を熱し、適温になったところで、一口サイズに小さくまるめて油の中へ。しばらくすると、咲き始めのチューリップのようにパカッと割れて膨らんできます。この割れ目の形が大きく笑っている様に見え、福を呼び込むといわれている縁起の良いお菓子です。

「ちょっと入れすぎね。膨らむのを計算して鍋いっぱいにならないように入れると、上手に揚げられるはずよ」
揚げたてのサンニン入りサータ―アンダギーは、ほのかにサンニンの香りがします。

サンニン18

サンニンを使った沖縄の伝統菓子づくり、大成功で笑顔の記念写真。左から岩本整さん、高橋優介さん、上地広美さん、宮原郁美さん、柴山弘文

サンニンの葉の粉末は、市販されれているものもありますが、葉を乾燥させてミルサーなどで作ることができます。サーターアンダギー以外にも麺や蒸しパンなどにもヨモギや抹茶のように練りこんで使うことができます。

粉末にした方がサンニンの葉の有効成分が摂取しやすいことから、沖縄では粉末の利用法も広がっています。

>>ヴォーカリスト高橋優介さんのホームページ