カンダバーとはどんな野菜ですか?
約400年前、琉球の官吏が中国から沖縄に持ち帰りました
カンダバーとは、サツマイモ(甘藷)の葉や茎を沖縄の方言で言ったもので、代表的な沖縄野菜のひとつです。食卓に上るカンダバーは葉や茎を食べるために開発されたもので、一般的なサツマイモの葉や茎よりも柔らかくクセがありません。ちなみに、サツマイモといっても開発されたカンダバーのイモは育ちにくく、実っても水っぽくなるため、あくまでも葉や茎を食べるための葉野菜として沖縄の人々に親しまれています。
カンダバーの葉は柔らかく、茎はシャキシャキとした食感で味にクセはありませんが、新鮮なものを選ぶとよりおいしく頂くことができます。ポイントは葉の色をじっくり観察することで、緑色の濃い瑞々しい葉を選ぶと良いでしょう。収穫時期は7~12月なので、カンダバーを手に入れられる期間は比較的長くなっています。
そもそもカンダバーが沖縄野菜となったのには、どのような歴史があるのでしょう。遡ること約400年前、琉球の官吏が中国から沖縄にサツマイモを持ち帰りました。
沖縄でサツマイモが広まる以前、主食とされていたのは米や麦といった穀物でした。しかし年に何度かくる台風の影響で作物被害が起き、それが飢餓に繋がることも少なくありませんでした。一方サツマイモは、その繁殖力で土壌を選ぶことなく栽培が可能であり、台風にも強いという性質があります。あわせてカンダバーも栄養価が高いことから重宝され、サツマイモとあわせて飢餓の回避に役立ってきました。
このように貴重な食料として沖縄に根付いたカンダバーですが、食べること以外に受け継がれてきた利用法があります。それは、髪を洗うときにカンダバーの葉を使うというものです。シャンプーの代わりにカンダバーの葉を4~5枚手で揉み、その際に出た粘りを髪に付けて洗うと髪が潤うのです。
食料としても美容法としても用いられるカンダバーは、全国で多く流通しているわけではありません。しかし沖縄ではスーパーや直売所などに並んでおり、沖縄の人々にとっては古くから親しんできたなじみの沖縄野菜なのです。