沖縄野菜とはどんなものですか?
豊富な栄養を含み健康維持のサポートに繋がる野菜です
沖縄野菜とは、沖縄で伝統的に食べられてきた野菜のことです。
沖縄県では、県の伝統的農産物を「健康長寿県として注目される沖縄において、戦前から導入され、伝統的に食されてきた地域固有の野菜」と定義していることから、沖縄野菜もこれに当てはまると考えられます。沖縄には戦前からの貿易によって様々な野菜が運ばれてきました。中には地域に溶け込み固有の野菜として今でも栽培されているものが多数あり、このような野菜は「島野菜」と呼ばれています。
沖縄野菜をいくつか紹介すると、まずは島野菜である島ニンジン、島カボチャ、島ラッキョウなどがあります。その他ゴーヤー(苦瓜)、冬瓜をはじめ、モロヘイヤ、カンダバー(甘藷の葉)、サクナ(長命草)、フーチバー(ニシヨモギ)、サンニン(月桃)などの野菜も沖縄野菜にあたります。
沖縄では元々、貿易が盛んにおこなわれていました。今からおよそ500年ほど前に、中国との貿易船の出発地として那覇港が開かれたことで、朝鮮、台湾、東南アジアの国々との貿易が始まり様々な物が行き交うようになりました。その結果、沖縄と気候の近い熱帯地域の野菜が輸入され、それらが沖縄野菜として根付くようになっていきました。
また野菜の育成環境についてですが、沖縄は年間を通して温暖で、冬でも10℃にならないという特徴があるため、野菜を育てやすい環境であるといえます。しかし暴風雨や台風といった災害も多く、実は沖縄特有の苦労も存在します。野菜はこのような災害によって突風被害を受けるだけでなく、風で巻き上げられた海水が畑の土に浸み込むことで塩害が起こり、野菜の葉枯れが起こってしまいます。沖縄では災害対策として、防風林を植えたり、石垣を造ったりすることで野菜を守るための努力を重ねてきました。
時に厳しい自然環境と闘いながら栽培されている沖縄野菜は、豊富な栄養を含み健康維持のサポートに繋がる野菜として様々な調理法で食べられてきました。この栄養が魅力となり、沖縄で親しまれていたものが全国に広まり、今や多種の野菜が「沖縄野菜」として認知されるまでになったといえます。