沖縄ならではの健康法とは?
雄大な自然の恵みと風土が生み出した
沖縄ならではの健康法として、伝統的な「食」と「ライフスタイル」が挙げられます。
沖縄には、独自の食文化が根付いています。とくによく食べられているのは豚肉で、総務省の「家計調査」(平成25年)では、豚の足やホルモンを含む生鮮肉の購入量において、沖縄が全国平均を上回っています。沖縄県民は「豚の鳴き声以外はすべて食べる」といわれるほどで、沖縄の市場やスーパーでは他ではあまり見られない豚肉の部位を購入することができます。
豚肉は質の良いタンパク源であり、疲労回復に良いビタミンB1が豊富に含まれている他、オレイン酸やステアリン酸も多いため動脈硬化の予防にも効果的です。また調理法ですが、沖縄では豚肉を長時間かけて煮込むことが多く、これは余分な脂肪やアクを取り除くという優れた効果を発揮します。
沖縄では緑黄色野菜も良く食べられています。年間を通して野菜の収穫ができる特別な気候に恵まれた沖縄ならではの恵みであり、季節を問わず新鮮な生野菜を手に入れる事ができます。そのため沖縄には、野菜を干したり、塩漬けにしたりするなど野菜を保存する習慣がありませんでした。沖縄県民は塩分の摂取量が全国平均に比べて少なくなっていますが、このように漬物文化が生まれなかったこともその理由のひとつです。
このような食生活もあり、沖縄は長寿県としても名高い県でした。しかし2005年までは毎年1位を維持してきた女性の平均寿命が2010年には3位へ後退し、男性も25位から30位へと順位を落としています。順位下落の理由としては、昔ながらの食習慣が崩れてきていることが原因と考えられており、改めて沖縄の伝統食の素晴らしさが見直されつつあります。
食文化以外にも、温暖な気候から生まれる生活習慣の中に、沖縄独自の健康法があります。この気温が人々の野外での活動時間を増やしており、外で身体を動かす時間が多いことが健康維持のひとつの方法となっています。のんびりとした生活リズムも特徴的で、とくに高齢者には快眠につながる昼寝や、夕方の散歩を生活に組み込んでいる人が多くいます。これが作り出す夜の睡眠の質も、健康法として注目すべき点です。
食とライフスタイルを紹介しましたが、いずれも古くから地域に根付いた習慣となっています。沖縄県ならではの、雄大な自然の恵みと風土が生み出した沖縄の人々の生活様式そのものが、素晴らしい健康法だといえるでしょう。